めぐり堂書店 ことから屋 の日記
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今日の ことから〔葉〕
2015.01.28
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今日の ことからは〔葉〕(は)です。 最近、日本最古の歌集「万葉集」(まんようしゅう)を詠んでいます。今から約1300年前。中国文化が入ってくる前の時代、日本人は 土の薫りに豊かな命の躍動を感じる素朴な感性をもって生きていたのですね。 「 信濃なる 千曲(ちぐま)の川の 細石(さざれし)も 君し踏みてば 玉と拾ろはむ 」 (信濃にある千曲川の小石だって、あなたが踏んだ石なら玉として拾いましょう(中西進/訳)。 〔葉〕の古代文字は、木の上の枝に葉っぱが 開いている、そのまんまの形。 自分の想いが 葉になって 開き、枝をはなれても また そのままのかたちで 誰かに届く。 ひとつ ひとつの ことばを、まるで一葉の 葉のように大切に触れて 届けていた、そんな時代の感性に 惹かれています。
